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ご「セイチョウ」ありがとうございました [日本語・英語]

学会発表迫る。パワーポイント作らなきゃな…。
 
パワポの最後の画面でよく使う、「ごせいちょうありがとうございました」、この「セイチョウ」を間違っている人がよくいるような気がする。
 
せいちょう【清聴】人が自分の話などを聞いてくれることを、その人を敬っていう語。「御―ありがとうございました」
せいちょう【静聴】人の話や講演などを静かに聞くこと。「御―願います」
(『明鏡国語辞典』大修館書店)
 
そうだよなあ。だから 、「ごせいちょうありがとうございました」では「清聴」でしょう。
 

アナウンスを発する方と聞く方 [日本語・英語]


朝日新聞の「桂三枝の笑ウインドウ」(たしかこういう名前)の読者投稿コラムが大好きである。先日あった投稿。


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JR吉祥寺駅に降りると、ホームにアナウンスが流れていた。「階段付近は大変込み合いますので、階段付近をさけてご利用下さい」。階段を利用しないと外に出られないんですけど……。

(「三枝の新笑ウインドウ」(asahi.com関西)2008年2月21日より引用)

http://www.asahi.com/kansai/entertainment/sanshi/OSK200802210016.html


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うーん、これは面白いことは面白いが、この駅アナウンスをもし私が駅ホームで聞いても、たぶん不思議には思わないだろう。

このアナウンスが言いたいのは、

「階段付近は階段を利用する人でホームが混むので、ホームで電車を待つとき、でいるだけ階段の近くでは待たず、ホームの端の方など階段から遠くて人の乗り降りが比較的混雑しないところで、電車を待ち、電車に乗ってくれ」

ということだと思う。

つまり、

(1)この投稿者は駅に降りた時にこのアナウンスを聞いたが、このアナウンスはこれから電車に乗る人に向けてのものだった。

(2)「ご利用下さい」の部分、投稿者は階段を利用することかと思っているが、アナウンスは電車を利用することについて言っている。

の2つの誤解が重なっているのだと思う。

まあもちろん投稿された方も、「誤解」ではなくてすべて承知の上で、面白い話として投稿されたのでしょうけどね。


いかん、明朝は全国の国立大学共通の「秘密工作」で、朝が早いんだった、早く寝よう…。


「ストレス」と「プレッシャー」 [日本語・英語]

先週の授業の話題の続き。
中国人に、日本語の「ストレス」と「プレッシャー」はどう違うのか、中国語にどう訳し分けていいのかわからないと言われたことがある。
以下例によって該当する意味項目のみ。

『明鏡国語辞典』(大修館書店)
【ストレス】物理的・精神的な刺激(ストレッサー)によって引き起こされる生体機能のひずみ。また、それに対する生体の防衛反応。▼一般には、ストレッサーとなる精神的・肉体的な負担をいう。
【プレッシャー】圧力。特に、精神的な重圧。

「ストレス」は後半の「一般には」以降の意味、「プレッシャー」も「特に」以降の意味で両者は比較されるのだろう。私(母語:日本語広島方言)の語感では、
「ストレス」:長期的なもの。身体に与える影響が大きいので、例えば病気の原因になったりする。
「プレッシャー」:単発的、一時的なもの。身体に与える影響は比較的軽微。
というのが一番の違いのような気がするが。

以下は私の作例とその分析。
オフィスで彼が真正面のデスクにいるのでストレスがかかる。(or「たまる」?or「~がストレスになる」?)」
→彼がものすごくいやな奴で本当は顔も見たくない、でも正面にいるので心理的に耐えられない、このままでいたら病気になっちゃうかも…

「オフィスで彼が真正面のデスクにいるのでプレッシャーがかかる。」
→彼はライバル。いつ見ても彼は仕事を頑張っているので、こっちも負けてはいられないという気になる…
あるいは、彼はいつも私が仕事をちゃんとやっているか見張っているので、私は仕事をサボることができない、常に頑張っていなければならないという感じ…

もちろん他の状況もありうるだろう。


「不倫」と「浮気」 [日本語・英語]

昨日の大学院の授業で雑談で出た話題。
ある中国人留学生が、日本語の「不倫」と「浮気」を中国語でどう訳し分ければよいかわからないという。
「それは…」と言おうとして、そもそも日本語での両者の違いは何か、ふと考えたがすぐには考えが浮かばなかった。
辞書を見てみる。(複数の意味項目のうち該当するもののみ。)

スーパー大辞林』(電子辞書の中の)
【不倫】道徳に反すること。特に、男女の関係が人の道にはずれること。また、そのさま。
【浮気】妻や夫など定まった人がいながら他の異性と情を通ずること。

『明鏡国語辞典』(大修館書店)
【不倫】道徳に反すること。特に、男女関係についていう。
【浮気】他の異性に心を移しやすいこと。特に、配偶者があるのに(軽い気持ちで)他の異性と情を通じること。

『新明解国語辞典』(三省堂)
【不倫】男女が、越えてはならない一線を越えて関係を持つこと。
【浮気】妻・(夫)を愛するだけでは足りなくて、さらに他の異性とも一時的に愛欲関係を持つこと。

どうも上記のどの辞書も私の語感とは異なる。

どの辞書も「浮気」の方は配偶者がいることが前提となることが多いと考えているようだ。しかし私の語感では、結婚していない恋人同士でも、付き合っている相手以外の人に「浮気」すると普通に言えると思う。つまり「浮気」は別に配偶者がいる関係を前提とはしていない。

逆に、むしろ配偶者がいることが前提となるのは「不倫」のほうだと思う。単なる恋人同士の片方が他の独身者と関係を持つことは浮気であって不倫とは言わないと思う。それを「不倫している」と言ったら、相手は必ず妻子持ち(あるいは夫がいる身)で…と、どろどろした話になると思う。

私のこの語感は一般的ではないのでしょうか。


可能表現メモ [日本語・英語]

今日は新たな発見とか疑問とかではなく単なる私のメモ。
中国語の可能表現(助動詞“能”とか可能補語とか)について考えていて思ったこと。
受験生時代の英語の文法の参考書を思わず読んでみた。
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日本語で「~できた」と過去形でいう場合は,「~する能力があった」という意味のときと「実際に成し遂げることができた;成し遂げた」という意味のときとがある.前者の場合にはcouldを用いるのが普通である.
He could swim very well when he was young.
(若いころ彼はたいへんじょうずに泳ぐことができた.)〔泳ぐ能力があった〕
しかし,後者の場合,つまりはっきりと「成し遂げた」ことを表すときの「できた」はcouldではなく,was[were] able to~,managed to~,succeeded in~など,あるいは単に動詞の過去形を用いなくてはならない.
He was able to solve the difficult problem.[He managed to solve~]
(彼はそのむずかしい問題を解くことができた.)
『改訂版チャート式シリーズ基礎と演習 英語』荒木良治・清水周裕著,数研出版,第21刷昭和55年(^_^;)277頁
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同様の解説はいろいろな英和辞典のableとcanの違いの解説のところにもでている。
(それにしても受験参考書にしてこの面白い記述はなんだ。なぜ英文法が「文法より会話」とかいってしばしば嫌われ者のように扱われるのかわからない。)(重要な注:私は会話が大事でないと言っているのではない。文法も会話も両方とも大事なのだ。)

これらの中国語との対応を考えると面白い。


「ソファ」は何人がけか [日本語・英語]

今回は私が発見したことではなく、だいぶ前に読んだ、何かの本に書いてあったのことなのだが、ソファについて。(「ソファ」と記すか「ソファー」と記すかはこの議論では関係ない。)前にも書いたかな?

家具店などに行ってソファ売り場に行くと、2人掛け以上の長い「ソファ」と、テーブルを挟んで、1人掛け用の「ソファ」が2つ並べて置いてあって、それがソファーの一式になっていることが多いと思う。

ところが英語の“sofa”というのは、2人掛け以上の長い方を指す。1人掛け用は英語では“armchair”と言う。(例えば『ライトハウス英和辞典』(研究社、第2版)の“living room”の挿絵(829ページ)を見るとよくわかる。)
電子辞書に入っている『OXFORD現代英英辞典』を見ても、“a long comfortable seat with a back and arms, for two or more people to sit on”とあることからも明らか。

さて、日本語の「ソファ」は何を指しているかと考えると、英語と指す範囲がずれていることがわかる。一応辞書では
背もたれとひじかけのある、ゆったりとした長椅子。(『明鏡国語辞典』大修館書店)
のようにあたかも長いほうしか指さないようなことが書いてあるが、「ソファ」でググってたくさん出てくるネット上の家具通販店のサイトを見ると、「1人掛けソファ」「2人掛けソファ」「3人掛けソファ」のように商品が分類してあり、実際には「1人掛けソファ」のようにどんどん使っていることは明らかである。

中国語の“沙発sha1fa1”はどうか。これが言いたいのだが、今日はもう疲れました。


レポートの助数詞 [日本語・英語]

今日の授業で、中国語の例文を「レポートを3本書いた」と訳したい箇所、学生たちからその訳が出てこない。「レポートは1本、2本、というように「本」で数えるでしょ」と言っても賛同を得られず。じゃあふだんレポートはどう数えているのかと聞いたら「1つ、2つ」だと。まあ確かに「レポートを1つ書く」とも言うよね…
この場合の「レポート」というのは、「〔単位認定のために〕学生に出させる小論文。リポート。」(『新明解国語辞典第四版』三省堂)の意味項目を指す。「論文」は間違いなく「本」で数えるから、小「論文」というからには、「本」で数えてよさそうなものだが。


「中華そば」の略としての「中華」 [日本語・英語]

息子のミニカーにラーメン屋台の車があって、車体の暖簾に「中華そば」と書いてあり、提灯に「ラーメン」と書いてある。「ラーメン」と「中華そば」は同じなのかと聞かれたので、まあ同じようなものだと言っておいた。
まあ両者の違いはちょっと置いておいて、辞書で「中華」を見ると、「中華そば」の略という項目があるものがある。

ちゅうか【中華】①(略)②中国料理。「―を食べたい」▼「中華料理」の略。③「中華そば」の略。(『明鏡国語辞典』大修館書店)

ちゅうか【中華】①(略)②中国。③「中華そば・中華料理」の略。(『新明解国語辞典』三省堂)

ただ、以下の電子辞書の中の国語辞典のように、「中華そば」の略という項目がないものもある。

ちゅうか【中華】①(略)②「中華料理」の略。「夕食は―にする」(『スーパー大辞林』三省堂)

私は日本語のネイティブスピーカーのつもりだが、「中華」が「中華そば」の略として用いられるというのは理解できない。少なくとも私の日本語の中にはそのような用法はない。誰かが「今日の晩ご飯は中華食べに行こうか。」と言ったら、中華料理を食べに行くのだなと理解する。「中華そば」を食べに行くとは絶対に思わない。これって世代差?地域差?(私は厳密に言うと広島方言が母語です。)それとも日本語全体の傾向として近年は「中華」が「中華そば」の略として使われる頻度は減少しているということを、日本人全体が共通の感覚として抱いているのか?


“hop”は片足か両足か [日本語・英語]

英語の“hop”という動詞が気になる。
手元のいくつかの辞書を見てみると、

(人が)片足で跳ぶ,(かえる・すずめなどが)両足でぴょんと跳ぶ
(『ライトハウス英和辞典第2版』研究社)

a.<人が>(片足で)ぴょんぴょん跳ぶ,ひょい[ぴょん]と跳ぶ
b.<鳥・動物などが>(足をそろえて)ぴょんぴょん跳ぶ
(『ジーニアス英和大辞典』大修館書店)

と、ちょっと動物の場合は置いておいて、人が“hop”するのは片足で跳ぶのかという感じがする。実際、電子辞書に入っている英英辞典を見ても、

(of a person) to move by jumping on one foot
(『OXFORD現代英英辞典』)

と、やっぱり片足かという気がしてくる。ところがある辞書を見ると、違うことが書いてある。

<人・動物が>(ぴょんと)とぶ,はねる(▲両足でとんでも片足でとんでもよい)
(『プログレッシブ英和中辞典第2版』小学館)

今“hop”の跳び方には2種の語釈が存在することになるが、「片足で」と書いている語釈が存在する一方で、「両足でとんでも片足でとんでもよい」とわざわざ注記が付してあるものがあった場合、後者の方が、前者の語釈の存在を承知の上でそれに相反する自説を打ち出しているような、その結果後者の方が正しいような印象を受けてしまうのは、私だけでしょうか。

実際のところは私は英語はまったくわかりませんのでどうなのかよくわかりませんが。


立席が満席 [日本語・英語]

今日も神保町方面で校閲作業。我ながらなんで台風の時にと思ったが、たいしたことはなかった。

神保町のとき、お昼でよく行くカレー屋さんがある。京王線新宿駅にも同じカレー屋の支店がある。その支店は座席はなくて、すべてカウンターのようなところで立ったまま食べる形。立ち食いそばならぬ立ち食いカレー。で、先日行った時ちょうどお昼の混んでいる時で、カウンターは立ってカレーを食べている人で埋まっていていっぱいだった。そこで入ろうとした私に店員さんが言ったのが、

「ただいま満席になっております。」

という言葉。立ち食い形式で椅子はないのだから、「満席」というのは変だろう、と一人心の中でうけていた。

その後、今日のお昼、神保町の方の店でカレーを食べていてふと頭に浮かんだ。「席」というのには、

座席 / 立席

の2種類があると。この「立席」、私は「りっせき」と読むと勝手に思い込んでいたら、手元の『明鏡国語辞典』(大修館書店)・『新明解国語辞典第四版』(三省堂)には載っていない。(電子辞書の中の『デジタル大辞泉』(小学館)にもない。)グーグると、電車の「立席特急券」、会議の「立席方式」、野球場で「立席応援可」とかいろいろ出てくる。ふと気づき、「たちせき」で引くと、あった。

たちせき【立(ち)席】すわる席は無いが、その演芸場(乗り物)に入ることを認められること。また、その場所。←→座席(『新明解』)

そうすると、あの店員の言った台詞は「立席が満席だ」という意味で正しいことになる。


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